
初めて印鑑を作成する時に、印面をどうすれば良いのか分からない場合も多いでしょう。苗字のみにすべきかフルネームにすべきなのか悩む人もいるでしょうが、完全な正解はありません。
まずは、自分がどの用途で印鑑を作成するのか、どんな環境で印鑑を持つのかを考えましょう。このコラムでは、印鑑の種類や印面についてを紹介します。
印鑑には種類がある!それぞれの用途を知って作成しよう
印鑑にはいくつかの種類があります。役所への届け出に使う書類や宅配便の受け取りなどで利用するのは認印、銀行などの金融機関で口座開設する際に登録するのが銀行印、住民登録をした自治体で登録するのが実印です。実印は法的な効力が強い印鑑で、不動産の購入契約時や、クルマの購入などでも使われます。
何種類も印鑑を作るのは面倒だと感じる人もいるでしょうが、ひとつの印鑑を3種類の用途に併用してもいけない訳ではありません。ただし、セキュリティーの観点から言えば、それぞれの役割に適した印鑑を持つのが正しいと言えるでしょう。
例えば、他人に見せる機会が多い認印をさまざまなシーンで併用すれば、偽造や盗難、紛失などのリスクが高くなると考えられます。認印は大量生産される三文判やゴム製のシャチハタが使われるケースが多く、家族での共用や会社で利用される頻度も高いです。
金融口座や住宅ローンなど、大切な場面で捺印する際には偽造の心配が少ない印鑑を選び、劣化して印影が変化してしまう可能性のある材質でできた印鑑などは避けるようにしましょう。印鑑を作成するのに悩みがちなのが印面についてです。
例えば、実印は安全性の高さが求められるためフルネームで作成される傾向にあります。ただし、印鑑は印面が小さいので、サイズによって文字数の制限があったり、文字数によってはバランスを考慮して書体を選択する必要があったりします。
印鑑の作成を受注する業者の多くが、フルネーム印鑑の見本に4文字の見本を使用しているので、仕上がりのイメージが想像できない場合は良く説明を受けてから作成しましょう。印影をプレビューできる店舗や通販も近年では多いので、サービスを上手に活用するのも名前入り印鑑を作成するポイントです。
認印は自由度の高い印鑑
認印は重要なシーンであまり使われないこともあって、模様入りの印面やさまざまな書体を選択できるなど比較的自由度の高い印鑑です。名前入りの認印や名前だけの認印もあるので、使用するシーンや好みで決めると良いでしょう。
ただし、認印は見やすさが大切なので、フルネームで作成する場合はごちゃごちゃに見えない書体を選択してください。特に苗字と名前に使われる漢字の画数が多ければ、楷書体や行書体などのシンプルな書体が向いているでしょう。
また、認印は比較的小さなサイズで作られることも多いですが、名前入りの印鑑にしたい場合はサイズ感を考慮して注文してください。フルネームで6文字や7文字など多めの文字数を入れる場合には直径が12mmから13.5mm程度の印鑑を選ぶと良いです。
複雑な文字であれば、更に大きいサイズの印鑑を選ぶ必要が出てくるケースもあります。名字だけの印鑑であれば、サイズが10.5mm程度の印鑑でバランス良く印面を作成してもらえるでしょう。作成者の好み以外で名前入りの認印が必要になるケースは、職場に同じ苗字の人物が多くいる場合などです。
フルネームの印面であれば見ただけで、誰が捺印したのかが分かりやすくなるでしょう。
逆に、回覧板などでフルネームの認印を使用すれば、近隣の家に、その家族に女性がいるのか男性がいるのか予想がしやすくなります。安全性を考慮する必要がない住環境であれば問題ありませんが、プライベートを守りたい場合には名字のみの印面が適しているでしょう。
法人認印の場合は、会社の名前を印面にします。会社実印を捺印する必要性がないケースなどで使われるもので、会社実印よりやや小さいサイズ感で作成されるのが一般的です。会社名は文字数が多くなる傾向にあるので、サイズがだいたい15mmから18mm程度の印鑑が選ばれます。
また、会社実印とは別の書体を選択して認印との区別をする場合も多いです。
実印は住民票に書かれている名前と一致させるのが大切
実印は安全のためにフルネームで作成される以外に、家族内で実印を持つ人物が複数いる場合に、混乱を防ぐためにも印面に名前入りを選択する場合は多いです。しかし、実印は名前のみでも苗字のみでも登録時に問題にはなりません。
印面は漢字でもひらがなでも登録可能ですが、ひらがなの実印は住民票の名前がひらがなで記載されている場合のみ認められます。住民票の名前が漢字の場合は、必ず漢字で実印を作成しましょう。加えて、実印は横書きと縦書きのどちらも認められているので、印面を作成する時は好みで決めてください。
注意点は、横書きを選択すると印影を右から左に読むようになります。日本の印章は古代に中国から伝えられたなどの理由で、横書きの配列が現在のものとは逆になっているからです。
銀行印も安全性を考えて印鑑作成時には工夫をしよう
銀行印も実印同様、フルネームで作成した方がセキュリティー面でリスクを回避できるでしょう。しかし、女性が銀行印や実印を持つ場合は、結婚で名字が変わる可能性を考慮して名前のみで印面を作成するケースが多いです。
結婚後に印鑑を作成し直す必要がないためですが、安全性が低くなるため書体を複雑にするなどの工夫が必要になります。中でも、名前のみの銀行印には、一般的に読みにくいとされている吉相体などが適しています。また、金運を願って印面を横書きにするケースは少なくありません。
お金は縦に流れないようにと願う思いを印鑑にこめると言われています。
男女は関係ない!自分に適した印面を作成しよう
女性が印鑑を作成する時にフルネームの印面を選択すると運気が良くないとのイメージがあると言われています。後家相などと呼ばれていますが、実際にはフルネームの実印や銀行印を持つ女性も少なくありません。会社経営者や、収入が多く家族を養っている女性のほか、跡継ぎの女性などに多くいます。
男女関係なく、印面を自由に選択するべきですし、使用用途や使用環境に合わせて適した印鑑を作成するべきでしょう。
印鑑は上手に作成しよう

印鑑にはそれぞれの用途があり、自分に適した印面を考える必要があります。フルネームで作成する場合は、文字数や画数に配慮しながら印鑑のサイズとバランスが良く仕上がるように業者へ注文しましょう。仕上がりイメージをプレビューできる業者も多いので、事前にサービスをチェックして上手に活用し、思い通りの印鑑を作成してください。
参照元|印鑑を作りたい|いいはんこやどっとこむhttp://www.e-hankoya.com/